誉田哲也。ジウXのミサキ 伊崎基子 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

誉田哲也〈ジウ〉サーガ・シリーズ

 

誉田哲也の〈ジウ〉サーガ・シリーズは10巻目『ジウX(2023)中央公論新社』は図書館本を借りる。貸出の予約を入れた時点で待機順番が百数十番目という案内にびっくりした。途中までは一応新刊書を買って読んでいたのだが、近年本が溜まるのが苦になってきて。若い人は買って読んでね。

 

歌舞伎町の(警察が手に負えない)闇の犯罪を「必殺仕事人」たる7人のグループ「歌舞伎町セブン」が仕置きする… 内容なのだが『国境事変(2007)』あたりから、日本の国家安全保障問題を扱うようになってきて、政治経済界を巻き込む謎の結社「世界新秩序」とゼブンとの暗闘が徐々に煮詰まりつつある。

 

誉田哲也:ジウX(2023)中央公論新社

 

イラストは以前、黒木メイサと多部未華子主演でドラマ化された折のもので、原作は真正面にヴァイオレンスを打ちだしたことからスプラッターなシーンが過激で、その世界観を映像化するのは難しい。書き込みもリアルなので心臓の弱い人には進められないが、近作はややオブラートに包まれてきた感はある。

 

ドラマで黒木メイサが演じた伊崎基子(ミサキ)は「歌舞伎町セブン」の一員として、ほとんど殺人マシーンと化し黒木メイサをして情感がありすぎる状況にある。そこで「虚無的無表情にして格闘技が似合う女優さんは誰?」と以前書いた。仕上りのいいエンタメ本なので、ぜひヴァイオレンスの極北をみせて欲しい。